【11月29日 AFP】中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は28日、中国がサッカーのレベルを引き上げるため、試合を取り入れる学校の数を増やし、世界の強豪国入りを目指す野望を支援する指針を打ち出したと報じた。

 世界最大の人口を誇る中国は、スポーツでは体操、飛び込み、卓球、バドミントンなどの強豪国として君臨している。

 しかし、サッカーの国内リーグでは、海外から監督や選手と多額の契約金で招へいしている一方で、代表チームは国際サッカー連盟(FIFA)のランキングで、ラトビアやカタールよりも下位の99位に低迷している。

 チャイナ・デーリー紙によると、内閣に相当する中国の国務院(State Council)が、ユースチームの発展を目指し、その責任を汚職スキャンダルにまみれる中国サッカー協会(Chinese Football AssociationCFA)から、行政機関に移すとしている。

 北京体育大学(Beijing Sport University)で体育学を担当する教授は、チャイナ・デーリー紙に対して、「中国の学校では学問に集中しているため、これまでサッカーの著しい発展はなしえていない」と指摘した。

 国土面積でははるかに小さい日本や韓国では、優れた代表チームが育っている一方、2002年の日韓共催W杯で初出場を果たした中国は、本大会で3戦全敗を喫し、それ以降は出場権すらも得られていない。

 日韓大会では、開催国の日本と韓国が自動的に出場権を獲得していたため、アジアの出場枠が中国に転がり込んだ形となった。

 チャイナ・デーリー紙はまた、劉延東(Liu Yandong)国務院副総理が、国務院の会議で、中国が重要なスポーツイベントで世界の強豪国を目指すために、サッカーの発展が土台になると述べたと伝えている。

 サッカー選手を輩出していることで知られる大連(Dalian)北部にある小学校の体育教師は、「早いうちに学校でサッカーの試合を取り入れていれば、中国サッカーは世界レベルに到達していたはずです」と述べた。(c)AFP