人種偏見と共に暮らす日常、ファーガソンの黒人住民が語る
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■「撃たれたのは自分だったかも」
米司法統計局(Bureau of Justice Statistics)によると、2003~09年に警察による身柄拘束時に殺害された人の数は2931人で、このうち多くが黒人だった。米国全体の人口に黒人が占める割合が13%にとどまる一方で、逮捕時に殺害された人の32%が黒人だった。
司法省の報告書によると、交通違反の取り締まり中に黒人とヒスパニック系の市民が身体検査を要求される確率は、白人の3倍。さらに、警官らと対峙(たいじ)した際に暴力を振るわれる確率は、4倍に上るという。
ファーガソンに住む黒人男性たちは皆、8月9日にブラウンさんの立場に置かれていたのは、自分だったかもしれないと分かっているという。
定年退職した元看護師のダレル・アレクサンダー(Darrell Alexander)さん(56)は暴動が起きた地区を歩いて回りながら、「黒人の男だから分かる。撃たれたのは自分だったかもしれない」と話した。
「正義はまだ果たされていない。だから若者たちは怒っている。そして彼らが怒るのは当然だ。(ブラウンさんの殺害に関連する)あらゆる状況は、明らかに人種差別によるものだ」
ファーガソンではここ20年ほどで黒人の住民が増加し、現在は人口の3分の2を占めている一方で、警官の大半は白人となっている。(c)AFP