【11月27日 AFP】息子が生まれたときから、警官にどう対応すべきか教えてやらなければならないことは分かっていた──ショーン・ジャクソン(Sean Jackson)さんはそう語った。警察に逮捕されないため、またはそれ以上にひどい扱いを受けないためだ。

 ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)に黒人男性として生きるということは、そういうことだ。

 今年8月、武器を所持していなかった黒人の青年マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)を射殺した白人警官を不起訴処分とした大陪審の決定を受け、ファーガソン市民の怒りは沸点に達している。ここに住む黒人たちは、警官たちの蛮行や人種差別、日常的に行われていると住民らが主張する警察のプロファイリング(人種的偏見に基づく類型化と差別的対応)に激しい怒りを募らせている。

 ブラウンさんが射殺されて以来、最悪の状況となったセントルイスの郊外で26日、前夜の暴動で焼け落ちた店舗の外に立っていた45歳のジャクソンさんは、こう続けた。

「いいか、ほとんどの白人たちは分かっていないんだ。車でファーガソンを通る黒人の男は誰でも、神経質になっている。警察に車を止めろと指示されるのが心配だからだ」

「警官に殺されたり、拘束されたり、交通違反切符を切られたりすることに神経をとがらせ、何か起きるなら交通違反切符をもらうことであってほしいと願っている──そんなふうに日々、神経質にならざるを得ない生活を送っていたら、楽しいはずなどない」

 地元の住民たちは、ブラウンさんが射殺されて以来ずっと、抗議活動を続けてきた。

 ジャクソンさんもこれまでに何度も、警察から嫌がらせを受けたことがあるという。今は25歳になった息子に対しては、もし警官に止まれと命じられることがあったら、両手を上げたまま、敬称である「サー(sir)」を付けて、「はい」と「いいえ」だけで返答しろと教えてきた。