【11月26日 AFP】反捕鯨団体シー・シェパード(Sea Shepherd Conservation SocietySS)は、和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み漁で23日、アルビノ(先天性色素欠乏症)によって体が白くなったハナゴンドウ(イルカの一種)の珍しい個体が捕獲されたと発表した。

 イルカの殺りくや水族館などへの販売に反対し、同町に監視団を派遣している同団体によると、同町では10か月前にもアルビノのイルカが捕獲されていた。同団体は「こうした珍しく美しいイルカは、生涯を小さな水槽の中で過ごすことになる」などとの批判を展開した。

 同団体によると、9月から2月末まで続く太地町の追い込み漁で今季これまでに殺されたハナゴンドウは約170頭に上る。追い込み漁の擁護者らは、漁は伝統の一部であり、対象となるイルカは絶滅の危機にはないことを指摘しており、日本政府もこの見解を支持している。

 同町のイルカの追い込み漁は2010年に米アカデミー賞(Academy Awards)長編ドキュメンタリー賞を受賞した米映画『ザ・コーヴ(The Cove)』で批判的に取り上げられ、世界的に知られるようになった。(c)AFP