【11月17日 AFP】エボラ出血熱と闘うための資金収集を掲げて新プロジェクトを開始した音楽を通じた慈善活動「バンド・エイド(Band Aid)」が17日、新バージョンのチャリティーシングル「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?(Do They Know It's Christmas?)」を英ITVテレビで初披露した。17日からダウンロード販売を開始する。

「バンド・エイド」は30年前、エチオピアの飢餓救済を目指して立ち上げられた慈善活動。15日に行われた新プロジェクト「バンド・エイド30」の楽曲収録には、英人気アイドルグループ「ワン・ダイレクション(One Direction1D)」やアイルランドのロックバンド「U2」のボノ(Bono)、英ロックバンド「コールドプレイ(Coldplay)」のクリス・マーティン(Chris Martin)などが参加した。

 発起人としてITVのオーディション番組「X-Factor」で新曲を紹介したアイルランド出身のロック歌手、ボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)は、患者の体に触れるだけで感染してしまう恐れがあるエボラ出血熱を「最も反人間的な病気」だと述べた。

■新たな歌詞でエボラ撲滅うたう

「バンド・エイド30」のミュージックビデオは、エボラ患者の遺体が運び出されて行く映像から始まり、続いてカメラはスター約30人が集まった英ロンドン(London)のサーム・スタジオ(Sarm Studios)でのレコーディング風景に切り替わる。

「全ての涙に死がある」。グラミー賞(Grammy Awards)受賞経験のある女性歌手アンジェリーク・キジョー(Angelique Kidjo)が歌うと、クリス・マーティンが「そこに響くクリスマスの鐘は、破滅の音」と続ける。

「では今夜、私たちは手を伸ばし、君に触れよう」とボノが歌い、英ソウルシンガーのシール(Seal)が「今年のクリスマスが、平和と喜びを西アフリカにもたらしますように」と続ける。

 ゲルドフは「闘いの始まりだ。これ(エボラ出血熱の感染拡大)を食い止めなければならない。この歌を買ってほしい」と呼び掛けた。「私の問題ではなく、あなたの問題でもない。彼ら(参加したミュージシャン)の問題でもない。これは、私たちみんなの問題だ」

 ゲルドフがスコットランドのロックミュージシャン、ミッジ・ユーロ(Midge Ure)とともに呼び掛け人となって結成された「バンド・エイド」は、1985年のチャリティーコンサート「ライブ・エイド(Live Aid)」で「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」を発表。テレビを通じて世界190億人がライブを視聴し、シングルはベストセラーとなった。(c)AFP