【11月12日 AFP】インドの歴史ある大学の一つ、アリーガル・ムスリム大学(Aligarh Muslim UniversityAMU)で女子学生たちがキャンパス内の主要図書館の利用を禁じられているとして、同大の女性研究者が11日、怒りの声を上げた。女性閣僚の一人も同大当局を批判している。大学当局が女性たちに図書館への入館を認めない理由は、男子学生の「気が散る」ことだとされている。

 アリーガル・ムスリム大学ウィメンズ・カレッジ(Women's College of Aligarh Muslim University)のシャダブ・バノ(Shadab Bano)助教はAFPの取材に対し、自分の教え子たちが、さまざまな理由で図書館の利用を認められずにいると明らかにした。「私たちは長い間、この問題と闘っている。女子学生たちの図書館利用を認めるよう要求するたびに、大学当局は責任逃れの回答を示すか、奇妙な理由を挙げるだけだ。図書館まで行く道が女子学生たちにとって危険だと言っていたときもあった」とバノ助教は述べた。

 この件について印紙タイムズ・オブ・インディア(Times of India)は、女子学生の入館を認めれば「利用する男子学生の数が4倍に膨れ上がるだろう」と述べたAMUのザミール・ウッディン・シャー(Zameer Uddin Shah)副学長の発言を伝えた。

 これに対し、シンムリティ・イラニ(Smriti Irani)人的資源開発相は「(自分も)女性として、こういった類の報道には傷つくだけでなく、怒りを感じる」と非難した。

 また学者出身の政治家、ヨゲンドラ・ヤダブ(Yogendra Yadav)氏はマイクロブログのツイッター(Twitter)上で「副学長のおかしな論理に従えば、AMUでは教室に入る女子学生の数も制限すべきだろう」と皮肉った。

 大学広報は、副学長の言葉が誤解されたと反論し「現在の設備を考えれば、女子学生を入れれば図書館が混雑しすぎるという意味。状況が変われば(女子の入館も)許可されるだろうし、ウィメンズ・カレッジにはすでに良い図書館があり女子学生はそれを使える」と述べている。(c)AFP