【11月9日 AFP】インドで街中に捨てられているごみをなくすことなどをめざす「クリーン・インディア(Clean India)」キャンペーンがナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の肝煎りで実施されている。しかし、このキャンペーンのために運の悪いある政治家が思わぬ面倒に巻き込まれてしまった。

 モディ首相は先月2日、キャンペーンの開始に当たり自らほうきを手に道路を清掃してみせた。それ以降、国内では著名人がこぞって道路の掃き掃除をする自身の姿を撮影させて公開している。

 だが、モディ首相率いる与党インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)のニューデリー(New Delhi)地区支部長、サティシュ・ウパディヤイ(Satish Upadhyay)氏が道路を掃除する前に作業員が落ち葉をまいている様子が写真に撮られてしまった。

 この出来事をインド紙メール・トゥデー(Mail Today)が伝え、写真はソーシャルメディア上で瞬く間に拡散した。インド国内では7日朝までにツイッター(Twitter)で最も多く使われているハッシュタグが「#CheatingCleanIndia」(#チーティング・クリーン・インディア、「クリーン・インディアでの不正行為」の意味)になった。

 ツイッターには「VIP向けのごみとして乾いた落ち葉(臭くないもの)の需要が急増」、「新政権が発足してようやく国が良い方向に進み始めたと思ったのに、また偽善のリーダーだ」などの批判が投稿された。

 ウパディヤイ氏は、清掃イベントに招かれてその場に出向いたと弁明。同国のテレビ局CNN-IBNに対し、「誰がやったにせよ、あれは正しい行為ではなかった。首相が始めたキャンペーンは単に写真撮影の機会を提供するためのものではない」と述べた。

 インドでは身分にこだわる人が多いが、首相は閣僚や公務員らに対しても政府庁舎の清掃イベントに参加するよう強く訴えた。これを受け、政治家や映画スター、実業家など数十人が実際に清掃活動に参加している。(c)AFP