【11月12日 AFP】ランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏を自転車競技の汚点と考える、仏ロードレース界の伝説ベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏は、アームストロング氏と言葉を交わすことさえも拒むという。

 ツール・ド・フランス(Tour de France)で5度の総合優勝を飾ったイノー氏は、自転車競技が薬物汚染に関連づけられる不利な立場にいると主張し、60歳の誕生日を14日に控え、AFPのインタビューに応じた。

 イノー氏は、自転車のおかげで「夢のような人生」を歩んでこられたとしながら、ドーピングスキャンダルが競技を悪い意味で有名にしたことは、「自転車を愛するすべての人を傷つけた」と嘆いた。

「でも、他のスポーツにも目を向けるべきだ。自転車競技だけが腐っているわけではない。みんな自転車を引き合いに出すがね」

 アームストロングという名前を聞くと、イノー氏の表情はとたんに曇った。

「もし今日会うことになったとしても、話さないよ。あいさつすらするつもりはない」

 29年前、フランス人として最後にツールを制したイノー氏は、依然として後継者が現れない状況を、歯がゆい気持ちで見ているという。

「今日、時速50キロで走ることができて、クライマーにも後れを取らない選手は、フランスにはいない」

「快活な選手はたくさんいるが、それでも勝てなきゃ一流とは言えない」