【11月10日 AFP】男子テニス、ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2014)は9日、英ロンドン(London)のO2アリーナ(O2 Arena)で初日が行われ、大会第4シードの錦織圭(Kei Nishikori)は6-4、6-4で第5シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)を下した。

 錦織は、予想外の勝利でツアー・ファイナルのデビュー戦を白星で飾るという最高の滑り出しを見せた。

 シーズンの最後を飾る誉れ高き大会にアジア人選手として初出場を飾った錦織は、その手腕を振るい、元ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)覇者のマレーから初勝利を挙げた。これまでのマレー戦で1セットも奪うことができていなかった錦織だが、約2年ぶりの対戦で成長具合をみせた。

 序盤からゲームをキープした錦織は、20本のウイナーを決めて約1時間35分の試合を制し、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)が同居するグループから準決勝へ進出する絶好のチャンスを手にした。

 錦織は「始めは少し硬くなっていたけど、徐々に良くなって、第2セットはほぼ完璧だった。いつも以上に積極的に行かなければならないのは分かっていたので、それが勝因。準決勝、決勝に進出するのが目標」とコメントした。

 ここ23戦で20勝を挙げていたマレーは、第1セットでブレークを奪いゲームカウント3-2とし、その記録を伸ばすかと思われた。しかし、錦織は直後にラブゲームでブレークバックした。

 慣れない環境の中で実力を発揮し始めた錦織は、見事なサービスリターンをダウンザラインに決めてセットポイントを手にすると、最後はマレーのドロップショットがネットにかかり、このセットを奪った。

 第2セットでも攻め込んだ錦織は、マレーに絶妙なドロップショットの手本を見せて第2ゲームでブレーク。

 マレーも第7ゲームでブレークしたものの、錦織はプレッシャーをかけ続け、最後はマレーのバックハンドがエンドラインを越えて、最初のマッチポイントで勝利を決めた。(c)AFP/Steven GRIFFITHS