薬物陽性のリー・チョンウェイ、「潔白証明する」
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【11月9日 AFP】バドミントン界を揺るがした薬物の陽性反応を受け、男子世界ランク1位に立つマレーシアのリー・チョンウェイ(Lee Chong Wei)が沈黙を破り、「決して不正行為はしていない」と語り、潔白を証明すると誓った。
マレーシア国内のスター選手であるリーは、デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)で8月に行われた世界バドミントン選手権(BWF World Champonships 2014)で、禁止されている抗炎症性のデキサメタゾン(dexamethasone)の陽性反応を示したと報じられている。しかしながら、正式に選手名は公表されていない。
しかし、リーは8日にツイッター(Twitter)で潔白を証明することを望むと記し、疑惑を受けて「精神的に打ちのめされた」状態だと自身のことを表現したインタビューのリンクを投稿した。
「信頼してくれてありがとう。決して不正行為はしていないし、禁止薬物に頼ることもない」、「答えの出ていない疑問は多くあるが、すぐ潔白を証明できることを望む」と、32歳のリーは書き込んだ。
スポーツブロガーの友人に対するインタビューでリーは、「人生があっという間に過ぎ去り、この15年間がすべて水泡に帰すと思った。精神的に打ちのめされ、何をして良いのか分からなかった」と語った。
「決して不正行為はしたことはないし、しようとしたこともなかったから青天のへきれきだった。懸命にがんばっていたものすべてを壊されてしまった」
マレーシア・バドミントン協会(BAM)は8日、尿サンプルの2回目の検査結果が、8月に行われた1回目の検査と同じく陽性だったことを受け、選手に対し暫定的に出場停止処分を下したと発表した。リーは、今週ノルウェーで行われたこの検査を現地で確認している。
出場停止処分は最長2年間で、そうなればリーのキャリアに終止符が打たれる可能性もある。今後、世界バドミントン連盟(BWF)が公聴会を開催する予定となっているが、日程は決定していない。
しかしながら、同国のカイリー・ジャマルディン(Khairy Jamaluddin)スポーツ相は地元紙スター(The Star)に対し、「パフォーマンスを向上させる薬物ではないことを強調したい。バドミントンに対する見識に影響を与えるものではない。(陸上短距離の)ベン・ジョンソン(Ben Johnson)や(自転車競技の)ランス・アームストロング(Lance Armstrong)とは違う」と擁護し、BAMも選手のキャリアを後押しする「ショートカット」ではないとコメントしている。
協会側は、この薬物反応が選手が7月に負傷した大腿部の治療に起因するものではないかとみて、調査を行っている。
リーは負傷した際に細胞注射を行い、7月18日にデキサメタゾンを注射されたことを知らされていると語ったが、8月15日に行われた競技外の検査を通過したという。
インタビューでリーは「8月30日にこの物質が私の体から見つかったことは全くもって謎だ。現時点では家に閉じこもっていて、コートに戻ることもまだ考えていない」と語っている。(c)AFP/Julia ZAPPEI