【10月17日 AFP】国際自転車競技連合(International Cycling UnionUCI)は16日、アスタナ(Astana Pro Team)で3件目のドーピング事例が発覚したことを受け、UCIのライセンス委員会が、チームの運営方針と反ドーピング規程を全面的に見直すことを発表した。

 2014ツール・ド・フランス(2014 Tour de France)で総合優勝を飾ったヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)を擁するアスタナは、すでに2015年のライセンス承認を受けていた。

 しかし、イリヤ・ダビデノク(Ilya Davidenok、カザフスタン)からアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)が検出され、マキシム・イグリンスキー(Maxim Iglinskiy、カザフスタン)とバレンティン・イグリンスキー(Valentin Iglinsky、カザフスタン)の兄弟からはエリスロポエチン(ErythropoietinEPO)の陽性反応が出たため、アスタナのライセンスは、取り消されるか、条件付きでの付与になる可能性がある。

 UCIは声明の中で、「マキシム/バレンティン・イグリンスキーの2選手がEPOに陽性反応を示し、2014年8月28日にツール・ド・ラブニール (Tour de l'Avenir)でイリヤ・ダビデノクから採取されたサンプルからは、アナボリック・ステロイドの使用について『違反が疑われる分析結果(Adverse Analytical Finding)』が出た。これらの懸念事項を受け、見直しに踏み切った」と説明している。

「イリヤ・ダビデノクは、2012年1月1日からアスタナ・コンチネンタル(Astana Continental、リザーブチーム)の一員として参戦しており、2014年8月1日からは、プロチームの研修生となっていた」

「選手はBサンプルの分析を依頼する権利があり、UCIのアンチドーピング規則により、裁定が下されるまでは、暫定的な出場停止処分となる」

 ライセンス委員会は、UCIワールドツアーライセンスの発行、見直し、取消を統括する部門で、ライセンスを保有するチームが、ライセンス基準を満たしているかどうかを常に監督している。

「UCIの規則では、チームが倫理的基準をどれだけ満たしているか、来月中にライセンス委員会の前で評価を受ける必要があり、その結果によって適切な裁定が下される」

「チームと経営陣、またはそのどちらかが今回の事例についてどの程度の責任を負うのか、裁定はライセンス委員会の判断による」

 アスタナは、現役時代に血液ドーピングで2007年から2年間の出場停止処分を受けた、アレクサンドル・ヴィノクロフ(Alexandre Vinokourov、カザフスタン)氏が代表を務めている。(c)AFP