【11月8日 AFP】2016年に開催される夏季五輪のセーリング競技の会場になるブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のグアナバラ湾(Guanabara Bay)で、数千匹以上の魚の死骸が岸に打ち上げられている。今のところ原因は不明で、専門家らも首をかしげている。

 現在も深刻な水質汚染が懸念されているグアナバラ湾には生活排水が流入していることから、選手たちの間では、この場所が競技会場になることを不安視する向きが多い。

 国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)は開催までに水質を改善することは可能だと自信をみせているが、一方で科学者らは、大量死の原因を水質汚染と断定するだけの証拠が見つかっていないと指摘。開催まで2年を切った現時点で魚の死骸や悪臭に悩まされる現状を受け、詳細な調査が必要だと訴える声が高まっている。

 悪臭が最初に報告されたのは、車の使用が禁止され、住民は馬や自転車を移動手段としている人口約4500人のパケター島(Paqueta Island)。湾の周辺で地元企業がブルドーザーで回収した魚の死骸はこれまでに、合わせて約20トンに上った。

 リオデジャネイロ州立大学(Rio do Janeiro State University)の海洋学者、ダビド・ジー(David Zee)氏がAFPに明らかにしたところによると、「水質検査の結果、化学物質や毒性物質が原因ではないことが確認された」という。

 今月4日には分析のため、5匹の魚の死骸がリオデジャネイロ連邦大学(Federal University of Rio de Janeiro)の生物学科に送られた。結果は来週初めにも発表される予定だ。(c)AFP/Claire DE OLIVEIRA NETO