【11月6日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)は、2016年に開催される夏期五輪の成功に向けて順調に進んでいる。しかしながら、各国オリンピック委員会連合(Association of National Olympic CommitteesANOC)の会長は今年行われたW杯ブラジル大会(2014 World Cup)における準備や様々な問題を鑑み、警鐘を鳴らした。

 ANOCのシェイク・アーマド・アル・ファハド(Sheikh Ahmad Al-Fahad Al-Sabah)会長は、ブラジルは「遅れる」可能性があるとしながらも、W杯で示したように最終的に成功を収めることになるだろうと語った。

 アジアオリンピック評議会(Olympic Council of AsiaOCA)の会長を兼任する同氏はバンコク(Bangkok)で行われたANOCの会合で記者陣に対し、「ブラジルの文化がアジアの文化に類似しているのは分かっている。最終的には良い五輪になるだろう」とコメントした。

「われわれは時々遅れることもあるが、最終的には五輪を楽しむことになる」

 国民の不満や抗議活動に加え、遅々として進まない準備により、ブラジルW杯は準備段階で酷評された。しかし、大会は大きな成功を収めることになった。

「抗議活動についてあれやこれやといろいろなニュースを耳にしたが、結局、昼間の暑い時間帯であってもスタジアムは満員だった」

「これがわれわれを活気づけた。多数の都市に比べれば、一都市での運営は簡単になる。調整委員会と組織委員会は、宿泊施設や市場調査、技術的な問題の解決に取り組んでいる」

 4月には国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のジョン・コーツ(John Coates)副会長が、リオデジャネイロの準備は、建設作業が遅れ、コストがかさみ、セーリングの競技会場で汚染が見られるなど、「経験した中でも最悪の状態」だと主張していた。

 しかしながら、同氏はその後この発言を撤回し、リオデジャネイロが「素晴らしい五輪」を提供することになるとコメントした。

 10月にはIOCの調整委員会が、リオデジャネイロ五輪の準備状況は着実に進んでいるとしたものの、開催まで2年を切って、やるべきことは多いと釘を刺している。(c)AFP