【11月5日 AFP】2022年冬季五輪の開催都市に立候補している中国の北京(Beijing)は、大気汚染や交通網の問題、またウインタースポーツが根付いていないという点から、当初は圏外とみられていたが、本命の都市が続々と開催を断念する中、ますます自信をつけている。

 ノルウェーの首都オスロ(Oslo)は、先月の時点で断念を表明。ポーランドのクラクフ(Krakow)、スウェーデンのストックホルム(Stockholm)、ウクライナのリビウ(Lviv)はすでに撤退していたことから、候補地は、2008年の北京五輪を開催した北京と、カザフスタンのアルマトイ(Almaty)の2択となっている。

 2008年の夏季五輪でも実績のある招致委員会の広報担当ワン・フイ(Wang Hui)氏は、「冬季五輪の招致を断念した都市もありますが、私どもは自分たちの活動に集中しています」とし、「断念した国の決断を尊重しますが、私どもは、北京が2022年の冬季五輪を開催できると確信しています」とコメントした。

 北京での開催が決まれば、2018年の韓国・平昌(Pyeongchang)での冬季大会、2020年の東京での夏季大会に続き、五輪3大会が極東で連続開催されることになる。

 計画によれば、氷上で行われる競技は北京で開催されるが、雪上の競技は約200キロ離れた張家口(Zhangjiakou)で行われるという。

 とりわけ北部で懸念される大気汚染についても、不安が広がっている。ここ数週間スモッグがたちこめていた北京では、第34回北京国際マラソン大会(Beijing International Marathon)に参加した選手がマスクを着用しながら走り、ツアー・オブ・北京(2014 Tour of Beijing)のコースも短縮されるなどの措置が講じられた。

 アジア太平洋経済協力会議(Asia-Pacific Economic Co-operationAPEC)首脳会議の開催に伴い、当局が開催期間中の工場の操業と車の走行を制限したため、現在の北京では青い空が見られる。

 北京での五輪開催にあたっては、施設間の移動も問題点となっている。また、高緯度のスキー場もそう多くない。リュージュやボブスレーといった競技のノウハウも懸念される。

 それでもワン氏は、大気汚染が「最も重要な課題」であると同時に、施設が「五輪の開催基準に達する」ものに様変わりするはずだと話した。

 招致に向けたPRビデオでは、北京に高速鉄道が設置され、現在3時間15分かかる北京、張家口間の移動が、わずか50分に短縮される様子が映し出されている。

 国内では制限されているツイッター(Twitter)、フェイスブック(Facebook)、ユーチューブ(YouTube)といったソーシャルメディアにも、国際的な宣伝活動としてPR映像が投稿されている。(c)AFP