【11月5日 AFP】サッカーサウジ・プロフェッショナルリーグ(1部)のアル・ヒラル(Al-Hilal)が、アジア・サッカー連盟(AFC)に対し、疑惑のAFCチャンピオンズリーグ2014(AFC Champions League 2014)決勝に関する調査を求めた。

 アル・ヒラルは、2試合合計スコア0-1でウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(Western Sydney Wanderers)に敗れた決勝戦を、アジアサッカー界の「黒い染み」として八百長の可能性を指摘している。

 決勝の2試合を通じ、アル・ヒラルの数度にわたるPKのアピールは流された。第2戦では、W杯ブラジル大会(2014 World Cup)で議論を呼ぶPK判定を下した日本人審判の西村雄一(Yuichi Nishimura)主審が試合を裁いた。

 アル・ヒラルは声明で、「AFCチャンピオンズリーグの決勝第2戦で起こったことは、アジアサッカーの歴史上の黒い染みであり、公平な戦いの中での幸福と喜びを待つすべての人々の権利を奪うものだ」と発表した。

 また、決勝での「失態」は「AFCの評判を傷つけ、疑わしげにみせ、AFCの選手権や大会の品位と公平性に対して多くの疑問を投げかけるもので、サッカー界を取り巻く賭け会社に対して何ら影響がないことを証明する必要がある」としている。

 1日に行われた第2戦は、アル・ヒラルのナセール・アル・シャムラニ(Nasser Al-Shamrani)とワンダラーズのマシュー・スピラノビッチ(Matthew Spiranovic)のいざこざから、乱闘に発展するという見苦しい形で終わりを迎えた。アル・ヒラルの選手は、表彰式で首にかけられた準優勝のメダルを、すぐさま取り外していた。

 アル・ヒラル側は第1戦で2度、第2戦で4度「明白なPK」を無視されたと主張しており、AFCに対して主審選定の責任者は誰なのか捜査を求めており、とりわけ、今年のW杯開幕戦のブラジル対クロアチア戦で大きな議論を呼んだPK判定により、その後同大会で笛を吹くことが無かった西村氏を主審に起用したことについて異議を唱えている。

「この試合に彼を主審として任命した大きな間違いについては調査が必要であり、処罰の要因となる」

 一方でワンダラーズのトニー・ポポビッチ(Tony Popovic)監督は5日、アル・ヒラル側の考えに興味は無いと、この要求に取り合うことはなかった。

 騒ぎにも平然した様子のポポビッチ監督はスカイ・スポーツ(Sky Sports)のラジオに対し、「敗れたときに違ったとらえ方をするチームやクラブはある」とコメントし、ワンダラーズが正当な王者だと語った。

「それが彼らの姿勢であって、われわれとしては興味が無い。現時点では彼らの言葉に関心は無いんだ」

「われわれが王者であり、われわれが手に入れたものだ。2試合にわたってプレーし、180分間、2試合をかけてわれわれは彼らを上回ったんだ」

(c)AFP