【11月3日 AFP】イタリアの首都ローマ(Roma)の市長が、政府の命令に背き、外国で登録された同性婚を認知したことで、同国で論争を巻き起こしている。

 左派のイニャツィオ・マリーノ(Ignazio Marino)市長は先月中旬、国外で行われた同性婚の国内での認知を定めた4月の画期的な判決に基づき、ベルギーやスペインで結婚した同性カップル16組の婚姻を登録した。

 だが、イタリア国内での同性婚は依然として違法であるため、アンジェロ・アルファーノ(Angelino Alfano)内相はローマ県に対し、ローマ市の婚姻登記簿から同性婚を削除するよう命じた。

 マリーノ市長は31日、「(県からの)命令は受け入れない」と宣言。その理由について、法律では国外での結婚について「公共の秩序に危険を及ぼす場合は登録を認めない」と定められていることを指摘し、「愛し合い、互いの愛を宣言したカップルが、いったいどんな危険をもたらすというのか、率直に言って私には理解できない」と述べた。

 さらにマリーノ市長は、国外で承認された婚姻関係の否認は「違法」であり、欧州連合(EU)の基本理念にも反すると主張した。

 内務省の命令に逆らい同性婚を受理した都市は、ローマの他にも複数ある。ナポリ(Naples)市の当局は、アルファーノ内相の命令に対し、法廷で争う構えを見せている。(c)AFP