【11月2日 AFP】フランス国内で先月以降、原子力発電所の上空を飛行する無人機が相次いで確認されている。

 2つの関係筋がAFPに明らかにしたところによると、同国北部と中部のそれぞれ2か所、東部の1か所の計5か所で、10月31日午後7時から11月1日午前0時(日本時間11月1日午前3時から同8時)までの間に無人機が飛行しているのが確認された。

 これまでのところ無人機を飛ばしているのが誰かは分かっておらず、関与を表明した組織などもない。「原発は強い地震や航空機の墜落にも耐えるよう設計されている」と仏内務省が強調するなど、仏当局は無人機によって原発が危険にさらされることはないと主張している。

 仏治安部隊の報道官は10月31日、夜間に国内の2か所の原発の上空を飛行する無人機を確認したと発表。10月29日にはエネルギー大手のフランス電力(EDF)が、10月に同社の原発の上空を飛行する無人機を計7機確認したため警察に通報したと発表していた。これらについてはすでに、当局が捜査を開始している。

 無人機の飛行を受けて、電源の大半を原子力に依存するフランスで原発の治安対策を疑問視する声が上がっている。

 同国では原発から半径5キロ以内範囲は飛行禁止区域とされており、違反した者は禁錮1年と7万5000ユーロ(約1050万円)の罰金が科される可能性がある。

 過去にフランス国内の原発で抗議活動を行ったことがある国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は一連の無人機の飛行について、一切の関与を否定している。(c)AFP