中米ギャングの血塗られた裏社会─アーバントライブ(3)
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■カリフォルニア南部で誕生
マラ・サルバトルチャやバリオ18は1980年代、貧困や脆弱な政府、さらには伝統的な家族モデルが崩壊したことに端を発し、米ロサンゼルス(Los Angeles)近郊のラテンアメリカ系住民が多く暮らす地域で生まれた。
20世紀後半に中米で相次いだ内戦から米国へと逃れた移民たち数千人を、米国政府が国外退去にした際、ギャングたちも共に中米へと移動した。
「政府軍とゲリラが戦った冷戦の時代から戦後を経て、今では別の冷戦が繰り広げられている。だが今回は社会の内部で戦争をやっているんだよ」とホセさんは話す。
周囲にあるものすべてを貪り食う蟻塚を意味する「marabunta」という単語が、その名前の由来であるマラスは、エルサルバドルやホンジュラス、グアテマラに約10万人のメンバーを抱え、今も常に新しいメンバーをリクルートしている。
かつて所属したクリカにいた19人のメンバーのうち、唯一存命のホセさんは、「ギャングは刹那(せつな)を生きるものなんだ」と語った。(c)AFP