【10月20日 AFP】小さな山ほどの大きさの彗星(すいせい)が19日、火星の近傍を超高速で通過した。100万年に一度とされる接近劇に天文愛好家からは歓喜の声が上がった。

 サイディング・スプリング(Siding Spring、別名C/2013 A1)として知られるこの彗星は米東部時間19日午後2時27分(日本時間20日午前3時27分)、時速20万3000キロという目もくらむようなスピードで火星に最接近した。

 最接近時の彗星と火星との距離は13万9500キロだった。これは、地球から月までの距離の半分にも満たない。欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)は、「最接近を裏付ける信号をちょうど今、受信した」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 最接近直前には、微小な破片でできた尾を引きながら、明るい火星へと向かう彗星の姿が宇宙空間では見られたという。

 氷と塵(ちり)と岩でできた直径約1.6キロの「雪玉」である同彗星は、数十億年前、太陽系はずれのオールトの雲(Oort Cloud)で生まれたと考えられている。(c)AFP