【10月18日 AFP】無敗の王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)が、リアリティーショーで放送された自身のジム内でのスパーリングの内容について、2人のボクサーから訴えられている。裁判文書によって明らかになった。

 米ラスベガス(Las Vegas)のKTNVテレビがインターネット上に投稿した文書によれば、シャリーフ・ラクマン(Sharif Rahman)/ハシーム・ラクマン・ジュニア(Hasim Rahman Jr.)兄弟は、メイウェザー、メイウェザーが設立したプロモーション会社、そしてケーブルテレビ局Showtimeを相手取り、メイウェザーとマルコス・マイダナ(Marcos Maidana、アルゼンチン)の再戦を盛り上げる目的で製作された番組の内容について訴訟を起こした。

 元世界ヘビー級王者のハシーム・ラクマン(Hasim Rahman)氏を父に持つラクマン兄弟は、殴打、逮捕監禁、過失雇用および監督不行届きの事実があったと主張しており、自分たちのスパーリングの様子がShowtimeのテレビ番組「All Access」で放送されることに同意した覚えはないとしている。

 16日、ラスベガスのクラーク郡地方裁判所(Clark County District Court)に提出された訴状によれば、18歳のシャリーフは、英国のドノバン・キャメロン(Donovan Cameron)と1ラウンド5~7分のスパーリングを命じられ、時間を短くしてほしいと言ったところ、メイウェザーに却下されたという。

 シャリーフがリングを出ようとすると、メイウェザーが「キャメロンと周りの選手に対し、シャリーフがリングを出たらリングの外でたたきのめすよう言った」と訴状は伝えている。

「シャリーフは身の危険を感じ、仕方なくスパーリングを続けた」

 その後、ジムに到着したハシーム・ラクマン・ジュニアは、キャメロンと休憩なしで31分に及ぶスパーリングを命じられ、メイウェザーをはじめとするスタッフは、この勝敗に金銭を賭けていたという。

 このテレビ番組については、すでに当局が確認を始めており、ネバダ州立体育委員会(NSAC)は、プロモーター(興行主)の資格を得たばかりのメイウェザーを呼び出し、問題の行動に関する説明を求めた。

 31分のスパーリングについて、委員会からは選手の体を不安視する声が挙がったが、メイウェザーは、スパーリングの無理強いと賭博の事実を否定。同時に、マイダナ戦のペイ・パー・ビュー(PPV)の売り上げをアップする目的で、メイウェザーの「私生活」を収めた映像に、マリフアナを吸引しているとみられる人々が映り込んでいたことについても、事実無根だと主張した。

 委員会はこれを受け入れ、メイウェザーの処分には至らなかった。

 訴状には、「被告のメイウェザーが、ネバダ州アスレチック・コミッションで故意に不正確な証言をした」とあり、ラクマン兄弟は懲罰的損害賠償を求めている。

 現段階でラクマン兄弟はプロ選手ではなく、ハシーム・ラクマン・ジュニアが、11月13日にプロデビューを飾ることになっている。(c)AFP