■三度目のスキャンダルは命取り

 2007年にミランが優勝して以降、2010年にインテルがトロフィーを掲げるまでチャンピオンズリーグで見せ場のなかったイタリア勢は、数年後にさらなる八百長スキャンダルで信頼をなくした。トヒル氏は、次に同じようなスキャンダルが起きれば、イタリアサッカーの命取りになると話している。

 また、アジアなどの新興市場を開拓するため、各クラブの会長にグローバルなアプローチをするよう促している。つまり、イタリアはイングランド・プレミアリーグを見習い、アジア遠征などを取り入れるべきだという。

 トヒル氏は、「セリエAは、もっと積極的にならなければいけない。特に強調したいのは、もう一度カルチョ・スキャンダルが起きたら、セリエAは終わりだということだ」と話した。

「イタリアだけでなく、世界をグローバルな視点から見ることが大事だ。(他クラブの)会長はオープンな姿勢だ。やるべきことがたくさんある」

「世界各地には、テレビやコンピューターではなく、生で試合を見たい人が大勢いる」

 イタリアのトップチームが上げる収益は、イングランド・プレミアリーグのライバルをはるかに下回っており、米経済誌「フォーブス(Forbes)」の調べによれば、2014-15シーズンのインテルの売り上げ見通しは2億4000万ドル(約255億円)で、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)の半分以下となっている。

 トヒル氏は、「イングランド・プレミアリーグの市場はどんどん大きくなったが、セリエAは世界的に見て2部リーグになる可能性もある」とし、「それでも、ここには素晴らしい土台がある。ドイツのブンデスリーガや、スペイン1部リーグには十分対抗できるはずだ」と締めくくった。(c)AFP