【10月10日 AFP】ドイツ東部ライプチヒ(Leipzig)で9日、「ベルリンの壁(Berlin Wall)」崩壊につながる重大な分岐点となった旧東ドイツの民主化要求デモから25年を記念する式典が開かれ、約20万人がキャンドル行進に参加した。

 1989年10月9日のデモを再現する象徴的な行進には、かつて東独反体制派だった人々に加え、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー各国の首脳や、ドイツ生まれの2人の元米国務長官、ジェームズ・ベーカー(James Baker)氏とヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)氏も出席。式典では、旧東独出身で自らも民主化運動を推進する牧師だったヨアヒム・ガウク(Joachim Gauck)独大統領が25年前の夜について「魔法だった」と述べ、当時デモに参加した人々の勇気を称えた。

 1989年の秋、当時東ドイツに属していたライプチヒでは毎週月曜日に民主化を求める「月曜デモ」が開かれ、次第に勢いを増していた。10月9日には7万人が平和的デモに参加し、旧東独当局と旧ソビエト連邦軍を驚かせた。

 同年6月には中国で天安門(Tiananmen)事件が発生しており、同様の流血の弾圧が懸念されたが、この日のデモは数か月にわたって続いた政情不安の転機となり、1か月後の11月9日にベルリンの壁は崩壊した。(c)AFP/Deborah COLE