【11月8日 AFP】「ベルリンの壁(Berlin Wall)」が崩壊してから9日で20年になるにあたり、旧東ドイツ育ちのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相が欧米大手メディアの取材で当時を振り返った。壁が崩壊し大群衆が検問所をくぐり抜けていったその歴史的な日も、いつもの習慣に従い毎週通っていたサウナに行ったのだという。

 メルケル首相に取材を行ったのは仏紙フィガロ(Figaro)、英紙ガーディアン(Guardian)、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)など。

 首相は当時、旧東ドイツに暮らす35歳の物理学者だった。壁が崩壊した1989年11月9日、何かが起こりそうな気配を感じていた時、テレビで検問所が開放されるとの発表を聞いた。「でもその日は木曜でした。木曜はサウナに行く日と決めていたので、いつものように高層ビル内のサウナへ行きました」と首相は語っている。

 サウナの後、友人とバーへビールを飲みに行ったが、その店を出たところで西ベルリンになだれ込む大群衆に押し流され、自分たちも西ベルリンに足を踏み入れたという。その後は西ベルリン市民と祝杯のビールを飲み交わして帰宅。翌日は妹と一緒に西ベルリンの有名百貨店カーデーベー(KaDeWe)に出かけた。西ヨーロッパの消費社会の象徴ともいうべきその百貨店には、共産主義社会だった当時の東ドイツにはないものが何でもそろっていたという。

 9日に予定されているベルリンの壁崩壊20年記念式典には、約10万人が参加すると予想されている。ドイツ政府は、現在の各国首脳のほか、ソ連(当時)のミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)書記長やジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)元米大統領など当時の首脳たちも招いている。

「ドイツ統一の父」と呼ばれるヘルムート・コール(Helmut Kohl)元西独(当時)首相も招待されていたが健康上の理由から欠席することが6日発表された。コール氏は2008年2月に腰を痛め車いすの生活を続けており、話すことも困難な状態だという。(c)AFP/Simon Sturdee