【10月8日 AFP】運転をアシストするハンズフリー機器の使用は、ドライバーを注意散漫にさせ、安全運転の妨げになるとの研究結果が7日、発表された。研究によると、米アップル(Apple)の音声認識型機能「Siri」使用時にその傾向が顕著だったという。

 全米自動車協会(AAA)のために行われた研究では、ナビやラジオを操作するためのハンズフリー機器は、「認知力の乱れ」をもたらし、安全な運転を妨げる可能性があることが明らかになった。

 これらの機器は、運転中に携帯端末の使用を避けるために用いられており、その利用者数は増加の一途をたどっているという。ただし、一部の機器では、レストランの予約をしたり、ソーシャルメディアをチェックしたりといった、より複雑なタスクにも対応しているため、それ自体の危険性も指摘されている。

 今回の研究を行ったユタ大学(University of Utah)によると、特に「Siri」を通じてフェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)などのSNSにアクセスするなどした場合に、ドライバーの注意が最も散漫になりやすいことが分かったという。運転中のSiriの一般的な利用で「認知力の乱れ」は5段階中4となった。これは同研究での最悪のスコアだ。

 一方、一部の自動車メーカーが提供するアシスタント機能はより安全性が高かった。なかでも、ラジオの選局や音声ダイヤルといった、最も一般的な音声コントロールでの測定では、トヨタ(Toyota)のEntuneが最も優良な1.7の評価を得た。

 全米自動車協会基金では、自動車および機器メーカーに対し、この研究結果を利用してボイスコントロール機器を改善し、交通安全を促進するよう求めている。(c)AFP