【10月7日 AFP】世界ホテルチェーン最大手、米ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングズ(Hilton Worldwide Holdings)は6日、傘下の老舗高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク(Waldorf Astoria New York)」を、中国の安邦保険集団(Anbang Insurance Group)に19億5000万ドル(約2100億円)で売却すると発表した。

 両社は、ウォルドルフ・アストリアの「歴史的な栄華を取り戻し」、今後100年間の運営はヒルトンが担うことで合意したという。

 ウォルドルフ・アストリアは、米ニューヨーク(New York)市マンハッタン(Manhattan)中心部パークアベニュー(Park Avenue)の1ブロックを占有する形でたつアールデコ様式のホテル。創業は100年以上前にさかのぼる。1993年には、エンパイアステートビル(Empire State Building)やブルックリン橋(Brooklyn Bridge)と並んで公式にニューヨーク市の歴史的建造物に指定されている。

 47階建ての豪華ホテルは、世界各国首脳やセレブを魅了してきた。マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)は1週間の室料が1000ドルのスイートルームで暮らしていた他、フランク・シナトラ(Frank Sinatra)やエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)ら大物歌手も同ホテルを利用した。

 また米国務省の報道官は6日、同省がウォルドルフ・アストリアのスイートルームを国連大使の宿泊用に長く使用していることを認めている。

 ヒルトン・ワールドワイドの創設者で1949年にウォルドルフ・アストリアの運営権を買い取ったコンラッド・ヒルトン(Conrad Hilton)氏は、同ホテルを「あらゆるものの中で最上のもの」と称えた。

 北京(Beijing)を本拠とする安邦保険集団は、従業員数が3万人を超え、成都衣商銀行(Chengdu Rural Commercial Bank)や安邦財産保険(Anbang Asset Management)などを傘下に持つ。(c)AFP