【10月6日 AFP】米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は5日、米国を狙った中国のサイバー攻撃により、米企業が受ける損害は年間で数十億ドル(数千億円)に上ると指摘した。

 米CBSテレビの報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」に出演したコミー長官は、米企業の秘密情報を狙ったサイバー攻撃国のトップは中国で、ほぼ全ての米主要企業が被害にあっていると指摘。「米国の大企業には2種類ある。1つは中国からハッキングされた企業、もう1つは中国にハッキングされた事実に気付いていない企業だ」と述べた。

 また、中国からのサイバー攻撃による年間損失については「測ることは不可能」としたうえで、「数十億ドル」に上るとの見解を示した。

 コミー長官は、中国は「自分たちで発明しなくてすむことを狙って」有用な情報を盗む機会をうかがっていると主張。「中国企業との交渉での企業の出方を知ろうと、情報をコピーしたり盗んだりと、あらゆる策略を凝らしている」と述べた。

 だが中国のハッキングは、検知が容易だとも指摘し、「酔っぱらった泥棒のようだ。正面玄関のドアを蹴破って侵入し、花瓶をひっくり返して、テレビを盗んで立ち去るといった具合だ」と述べた。(c)AFP