【10月6日 AFP】5日に行われたイングランド・プレミアリーグ第7節のチェルシー(Chelsea)対アーセナル(Arsenal)の試合で、ピッチサイドで衝突したアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)監督とジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督だが、ベンゲル監督は大したことではなかったと強調している。

 前半途中、アーセナルのアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)がギャリー・ケイヒル(Gary Cahill)に後ろから倒されると、2人はベンチから出て衝突し、ベンゲル監督はモウリーニョ監督の胸を突いた。

 モウリーニョ監督がベンゲル監督に「下がれ」と言う中、2人は第4の審判によって引き離された。ベンゲル監督には、イングランドサッカー協会(Football AssociationFA)から処分が下される可能性もあるが、本人は大したことではないと話している。

 ベンゲル監督は試合後の記者会見で、モウリーニョ監督を押したことを後悔しているかと問われると、「ノーだ。何を後悔する必要がある?」と答えた。

「私はA地点からB地点に行きたくて、その間にある人物が立ちふさがった。来るなというような感じでね。B地点はサンチェスのいた場所だ。痛がっていたから、状態を確認しようと思ったんだ」

 深い因縁のある両指揮官は、アーセナルのベンゲル監督がモウリーニョ監督との通算12回の対戦で一度も勝利を挙げることができておらず、モウリーニョ監督はベンゲル監督に「失敗のスペシャリスト」の烙印を押している。

 ベンゲル監督は「正直に言って、彼の言葉を聞くつもりはない。理由は君たち(メディア)が今後3週間、私に道徳の授業を施してくれると信じているからね。私はそれを受ければいい」と話した。

 ベンゲル監督はさらに、モウリーニョ監督に手を出したのは「押したうちに入らない」としており、「私だって人を押そうとすることはある。しかし本当に押そうとしていたら、君たちにもわかったはずだ」と続けた。

 試合終了後、両監督は握手を交わさなかったが、真っ先に通路へと消えたモウリーニョ監督は、口論はあってもベンゲル監督との間に「問題はない」と話している。

「終わった話だ。サッカーのピッチはサッカーのピッチ、だから問題はない。ビッグクラブ、ライバル同士の大一番で、両チームにとって重要な試合とあれば、熱くなるのは当然だ。そうした状況が試合を熱くしたんだ」

「テクニカルエリアは2つある。私の場所と、彼の場所。向こうは私のエリアに入ってきたが、正しい理由があって入ってきたわけではない」

「選手に戦術の指示をしたりするために、入ってきたわけではなかった。レッドカードを(ケーヒルに)出すよう審判に訴えるため、入ってきたんだ。私はそれが気に入らなかった」

 挑発的な言動も多いモウリーニョ監督が、議論を呼ぶのは珍しいことではない。一方でベンゲル監督も、当時ウェストハム(West Ham)を率いていたアラン・パーデュー(Alan Pardew)監督、さらに元トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)指揮官のマルティン・ヨル(Martin Jol)監督と、似たような衝突を起こしている。(c)AFP/Tom WILLIAMS