【10月5日 AFP】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は3日、学校で教える第2言語をロシア語から英語に変更するべきだとの考えを示した。国内の生活水準向上策だとしているが、ロシアのさらなる反発を招きかねない発言だ。

 欧州寄りのポロシェンコ大統領は、自身の支持基盤でロシア系住民が少ない西部リビウ(Lviv)を訪問した際、「英語を第2言語として学校で教えるべきだ」と述べ、次のように主張した。

「生活水準と英語力には関連がある」「英語を話す国民が増えればウクライナはより良い国になる」

 ウクライナでは、歴史的にロシア語が第2言語とされてきた。国内は西部がウクライナ語圏、東部はロシア語圏に分かれており、東部2州で先ごろ親ロシア派勢力がウクライナからの分離独立を一方的に宣言した。

 一方、2月の政変で失脚したビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)前大統領の親ロシア政権は2012年、東部でロシア語を公用語とする法律を制定し、民族主義派の反発を招いた。政変後の親欧政権樹立に伴い、この法律の撤廃を求める声が上がったものの、新政権は東部におけるロシア語の使用権を引き続き認める方針を固めている。

 ウクライナ東部の工業地帯では、この5か月間の政情不安で3200人以上が死亡した。ロシア政府は、ウクライナ政府がロシア系住民を「大量殺りく」していると激しく非難。一方のウクライナ政府は、ロシアが陰で糸を引いて騒乱を起こし、ウクライナの欧州連合(EU)加盟を阻止しようとしていると批判している。(c)AFP