【9月29日 AFP】香港(Hong Kong)で28日、中国政府に対し完全な普通選挙の実施を要求するデモに数万人が集まり、同市中心部の一部がまひ状態となった。これを受け、香港警察は2005年以降初めて催涙ガスを使用し、デモ隊と衝突。香港市内は近年まれにみる騒乱状態となった。

 先週初めに始まった学生主導の抗議行動は当初、大きな騒動がなく続いていたが、この日には劇的な高まりを見せ、大規模な怒りの街頭デモへと発展した。

 デモ参加者らは、催涙ガスの煙から身を守りながら、暴動鎮圧用装備とガスマスクを付けた警官隊に向かって「恥を知れ!」などと叫んだ。警官の多くはゴム弾銃を肩にかけており、デモ隊のリーダーらは、これらが使用された場合には命の危険もあるとして、参加者らに退避を呼び掛けた。

 また28日夜には、人通りの多い旺角(Mongkok)の商業地区で、新たな抗議行動が展開され、デモ隊約3000人が大通りを封鎖、交通を麻痺させた。香港警察の部隊を拡散させる狙いがあるものとみられる。(c)AFP/Aaron TAM, Benjamin HAAS