■帳簿も流され銀行あてにできず

 じゅうたん商人だけではない。もう1つの特産品であるサフラン、リンゴやクルミ、黄金の装飾品なども大きな被害を受けた。

 カシミール商工会議所連合会(Federation Chambers of Industries KashmirFCIK)のアシュラフ・ミール(Ashraf Mir)会長はAFPの取材に対し、「最も控えめに見積もったとしても、損害額は3000億ルピー(約5300億円)を超える。(スリナガル)最大の商業地が最も大きな被害を受けた」と話した。カシミールの商人50万人の多くは十分な保険に入っていないため、被害額は膨らむ可能性が高いという。

 ミール会長自身も従業員100人を抱える鉄工所を経営しているが、「こんな状況では従業員の支援はできない」と語った。

 農場主などの自営業者は帳簿を流され、金融機関に援助を求めるのが難しい状態だ。「商売を早く立て直す必要があるが、そのためには大胆かつ組織的な支援が欠かせない」とミール会長は指摘。多くの商店主が自宅も失っていることから、「最低限の書類と、最小限の時間(で経済的な支援を得られること)が鍵となる」と述べた。(c)AFP/Parvaiz BUKHARI