【3月7日 AFP】インドのヒマラヤ山脈を襲った大雪により、高級スカーフなどに使われる毛織物の原料となるパシュミナ種のヤギ2万5000頭近くが死に、パシュミナウールの供給が滞る恐れが出ている。地元自治体が5日、明かした。

 中国との国境に接するインド北西部ラダック(Ladakh)地方では、数千人の遊牧民がパシュミナ種のヤギを育てている。ここで毎年作られる最高品質のパシュミナウール約50トンは、隣のカシミール(Kashmir)地方に運ばれ、1枚800ドル(約7万5000円)の値が付くこともあるスカーフやショールに生まれ変わる。

 だが今年、チャンタン(Changthang)地域はここ50年弱で最大規模の大雪に見舞われ、牧草の上に90センチもの雪が積もってしまったため、推定2万5000頭のヤギが飢死したという。さらに17万5000頭が死の危機にあるともされている。

 標高5200メートルに位置するチャンタン地域では夏の降雨量はほぼゼロで、冬の積雪量は例年約5センチほど。気温はマイナス50度まで下がる時もある。(c)AFP/Parvaiz Bukhari