【9月26日 AFP】ウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は25日、同国東部における親ロシア派武装勢力との衝突は「最も危険な」山場を越えたという認識を示し、2020年に欧州連合(EU)へ加盟申請することを視野に入れて復興に着手する意向を示した。

 親欧米派のポロシェンコ氏は、6月の大統領就任時以来となる本格的な記者会見で、締め付けを強めるロシアとウクライナ東部のかつての工業地帯に拠点を置く武装勢力に、ロシアの支配下からの脱却というウクライナの悲願達成の邪魔はさせないと断言した。

 さらにポロシェンコ大統領は親欧米路線を貫く姿勢を示し、「戦略2020」と銘打った包括的な社会・経済改革の指針を発表。それに基づいて「6年以内にEUへ加盟申請することを目指し、準備を進めていく」考えを明らかにした。

 同大統領の復興計画には、EU加盟の実現可能性を高めるための60の提案が盛り込まれているが、経済的に豊かなEU加盟各国は提案が実行されるのか不信の目で見ている。

 計画には、まん延する汚職への対応策や、贈収賄がまかり通ってきた司法の改革なども含まれている。また、ロシアの天然ガス供給への依存度を下げるため、「エネルギー面での独立性」を目指すことも約束した。

 しかし新たな衝突で死者が出ていることや、親露派が11月2日に独自に選挙を実施すると発表するなど、ポロシェンコ大統領の意欲的な発表に影を落とす要素は引き続き残っている。(c)AFP/Dmitry ZAKS