【9月25日 AFP】イタリア・ルネサンス期の芸術家レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)による未完の傑作「東方三博士の礼拝(The Adoration of the Magi)」が、伊フィレンツェ(Florentine)の作業チームの下で、長年、すすに覆い隠されていた美の全貌を現し始めた。

「東方三博士の礼拝」は若き日のダビンチによる作品で、1481年にダビンチが制作途中でミラノ(Milan)に旅立ったため未完に終わったとされている。

 予備調査に1年を費やし、246センチ×243センチという大作絵画の修復に2011年から取り組む作業チームによれば、修復は全体の4分の3ほどまで進んだ。

 修復プロジェクト統括者の一人マルコ・チアッティ(Marco Ciatti)氏は、「すでにレオナルドの典型的な空気遠近法と独特の雰囲気が明瞭に現れている」と語った。修復によって、これまでは赤外線を通さなければ見えなかった部分が肉眼で見えるようになり、ダビンチが作品を創り上げる手法を、より深く理解できるようになったという。

 絵画の修復を終えた後は、額縁のひびなどの修復に着手する予定で、作業チームは2015年末をめどにフィレンツェにあるウフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)に「東方三博士の礼拝」を展示したいとしている。(c)AFP