【3月12日 AFP】米国の在野の歴史家が、12年の歳月をかけ、イタリア・ルネサンス期の芸術家レオナルド・ダビンチ(Leonardo da Vinci)が5世紀前に描いた絵画「モナリザ(Mona Lisa)」の微笑みの謎を解き明かしたと近著に記している。

「The Lady Speaks: Uncovering the Secrets of the Mona Lisa(貴婦人は語る:モナリザの謎を解き明かす)」を最近出版した米テキサス(Texas)州在住のウィリアム・バーベル(William Varvel)氏(53)は、「ラ・ジョコンダ(La Gioconda)(モナリザの別題)」について、カトリック教会における女性の地位向上を提唱した16世紀の男女同権論者の像だと主張している。

「ラ・ジョコンダは、神学上の女性の権利を認めれば直ちに『新しいエルサレム』(New Jerusalem、神の都の意)を目にすることができると人々に説こうとした。ラ・ジョコンダは女性の権利の偉大なる表明だったのだろう」とバーベル氏はAFPの電話取材に語った。

 仏パリのルーブル美術館(Louvre Museum)には、おそらく世界で最も有名な絵画であろう「モナリザ」を一目見ようと、連日大勢の観光客が各国から訪れる。この絵画については、他にも真面目なものから面白おかしいものまで多くの説がある。

 ドミニコ会修道院のためにすでに「最後の晩餐」を製作済みだったダビンチは、1503~06年ごろかその数年後、ポプラ材の板に油彩で「モナリザ」を描いたと考えられている。

 歴史上、モナリザのモデルはフィレンツェ(Florentine)の貴族家庭に生まれ、絹商人の妻となり5人の子どもをもうけた女性、リザ・デル・ジョコンド(Lisa del Giocondo)だとされる。