【9月24日 AFP】イスラエルの治安部隊は23日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)で、今年6月にイスラエルの10代少年3人が殺害された事件の容疑者とされるパレスチナ人の男2人を殺害した。ガザ地区(Gaza Strip)で先月末まで50日間に及んだイスラエルとパレスチナの激しい衝突は、この事件に端を発していた。

 パレスチナ当局者の話では、2人が殺害されたのはイスラエルとパレスチナの代表らがエジプトのカイロ(Cairo)に集まり、ガザにおける恒久的な停戦に向けた交渉を開始する直前で、そのためこの交渉の開催もいったんは危ぶまれた。

 イスラエル軍によると、同日殺害されたのは6月にイスラエルの10代の3少年を誘拐・殺害した犯人とイスラエル側が断定していた32歳と29歳のパレスチナ人2人で、ヨルダン川西岸南部の都市ヘブロン(Hebron)の潜伏先を急襲した際に起きた戦闘の最中に死亡したとしている。

 イスラエルの治安機関シンベト(Shin Bet)は、殺害された2人の潜伏を助けたとされるパレスチナ人少なくとも3人を軍が拘束したことも明らかにした。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は、この作戦の成果を称賛。「私はわが国の少年らを誘拐・殺害した者は誰であれ、その代償を払うことになると言明していた。敵は追い掛けて見つけ出し、対処するまでは帰らないと言っていたはずだ」と述べた。

 一方ヨルダン川西岸に拠点を置くパレスチナ自治政府の治安機関長官は、イスラエル側が「(市民を)殺害し家屋を破壊する作戦を実行した」として非難。パレスチナ治安部隊は、容疑者とされる人物らの居所について「全く」知らず、パレスチナ側が完全掌握している「この地域にイスラエル軍がどうやって進入できたのかも分からない」と話している。(c)AFP/Samih Shaheen