【9月22日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)は21日、競泳男子200メートル自由形決勝が行われ、萩野公介(Kosuke Hagino)が1分45秒23の日本新記録で優勝を飾った。

 萩野は、自由形で圧倒的な強さを発揮する中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)、韓国の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)の2選手を退け、堂々の金メダルを手にした。

 日本代表を率いる平井伯昌(Norimasa Hirai)監督でさえも、萩野が自由形で優勝する可能性は「低い」としていたが、最後の50メートルで怒濤(どとう)の追い上げをみせた萩野は、孫に0.05秒差をつけた。

 萩野は、「勝ったと思わなかった」と報道陣に明かし、「鳥肌が立ちました。前半で勝負を仕掛けてくるのは分かっていたので、何とか食らいつきました」と話した。

 200メートル自由形で3大会連続の優勝を見据えていた朴だが、自身の名前がついた会場で、ライバルである孫の存在を意識しすぎてしまったと振り返った。

北京五輪で男子400メートル自由形を制した朴は、「重荷だった」と切り出すと、「プレッシャーを乗り越えられなかったことが残念。多くの人々が3大会連続の優勝と「3冠」を期待していた。また、僕の名前がついたプールで競技が行われたことも大きかった」と語った。

 400メートルと1500メートル自由形の五輪記録を塗り替えた孫は、タッチの差で萩野に敗れた原因は親指の痛みだとし、ターンの際に負傷したことを明かした。

 孫は手をさすりながら、「左の親指を少し痛め、ベストが出せなかった」とし、「最後の50メートルで彼につかまった。でも、銀メダルに満足しているよ。今日は多くのことを学んだからね」とコメントした。

 米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)と同じく、オールラウンダーになる可能性を秘めた20歳の萩野は、150メートルのターンまで孫と朴を追いかけていたが、最後は地元韓国の観客にため息をつかせる結果を残した。

 萩野は、「日本が好スタートを切ることは重要だった」とし、「全員が自信を持って臨めると思うし、孫と朴と争う次戦への自信にもつながった」と話している。(c)AFP/Alastair HIMMER