【9月20日 AFP】第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)の競泳競技を控え、日本代表を率いる平井伯昌(Norimasa Hirai)監督は、萩野公介(Kosuke Hagino)に奇跡を期待するべきではないと警告した。

 パンパシフィック水泳選手権(Pan Pacific Swimming Championships 2014)で、萩野は個人メドレー2冠を達成した。しかし平井監督は、自由形で圧倒的な強さを発揮する中国の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)、韓国の朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン)の2選手と萩野を並べて比較することは避けた。

 平井監督は、AFPに対し「萩野は2人の五輪金メダリストを追う立場です」とコメントし、「自由形でメダルを取ることはできるだろうが、金メダルを獲得するには、五輪で優勝するレベルの泳ぎをしなければならず、萩野には荷が重いと思う」と述べた。

 パンパシ水泳の男子200メートル個人メドレーで、米国のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)を抑え堂々の優勝を飾った萩野は、200メートルと400メートルの自由形でも銀メダルを獲得した。400メートルでは、朴が金メダルを手にしている。

 日本を代表する選手になった北島康介(Kosuke Kitajima)の成長も見届けてきた平井監督は、「(萩野は)あれ以降、さらに伸びた」とすると、「良い泳ぎをしてほしいが、孫や朴のレベルにはまだ達していないと思う。彼らは非常に強力だ」とコメントした。

「アジア大会で金を取れなければ、五輪では優勝できない。孫や朴と争うことは、リオデジャネイロ五輪に向けてのアドバンテージになるだろう」

 2012年のロンドン五輪で男子400メートル自由形を制した孫と、その4年前の北京五輪で同種目の金メダルを手にした朴の対決は、21日の男子200メートル自由形から始まる。

 平井監督は、「正直言って、萩野自身も彼らに勝てるとは思っていないだろう」とし、「初日の種目で萩野が金を取ることは、われわれも想定していない」と明かした。