【9月15日 AFP】ナイジェリアの最大都市ラゴス(Lagos)で12日、宗教団体の施設が倒壊し、当局によると14日までに42人の死亡が確認された。同団体の教祖は直前に施設上空を飛行していた不審な飛行機の関与を主張しているが、救急隊は倒壊原因が犯罪行為にあるとの説を否定している。

 倒壊した建物は、ラゴスの国際空港に近いイコタン(Ikotun)に本部を置く宗教団体「シナゴーグ・チャーチ・オブ・オール・ネーションズ(Synagogue Church of All NationsSCOAN)」の外国人信者が宿泊するゲストハウスとみられている。倒壊時に建物内にいた人数ははっきりしていない。

 ナイジェリア国家危機管理庁(National Emergency Management AgencyNEMA)によると、これまでに42人が死亡し、130人ががれきの下から自力で脱出したり、救出されたりした。

 同団体を率いる牧師・テレビ説教師のTBジョシュア(TB Joshua)師は、予知能力と癒やしの力を持つとされており、熱狂的な信者からは「預言者」と呼ばれている。現場に駆けつけた救急隊員や報道関係者らは、団体の警備要員から襲撃を受けたと話しており、本格的な救助活動が始まったのは14日になってからだった。

 また同日には、現場上空で低空飛行する飛行機についてのTBジョシュア師の主張を、地元メディアが相次いで報じた。

 同氏は、自身の放送局「emmanuel.tv」で、建物が崩壊する直前に撮影された映像を公開。広大な宗教施設の向かい側に設置されていたとみられる防犯カメラの映像には、飛行機とされる物体が、建物の上空を午前11時半(日本時間午後8時半)、11時43分、11時45分、11時54分の4回にわたって飛行する様子が写っている。

 建物は建設中で、高い塀の上に建物の上部5階分が見える。この建物は、午後0時44分、大量の土煙を空中にまき上げながら倒壊した。これらの映像には、「事故の後、不審な飛行機が戻ることはなかった」とのコメントが添付されている。

 この映像の真偽について独立した検証は行われていないが、ジョシュア師は、ナイジェリア治安当局に映像を提出する意向を表明している。(c)AFP/Chris STEIN