【9月10日 AFP】女子テニスのクルム伊達公子(Kimiko Date-Krumm)が9日、全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)男子シングルスで四大大会(グランドスラム)初制覇を逃した錦織圭(Kei Nishikori)にテキストメッセージを送ったことを明かし、自身の躍進を誇りに思うべきだと伝えたという。

 アジアの男子選手として初めてグランドスラムでファイナリストになった錦織は、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)、そして世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)といった強豪選手を退けた。

 それでも錦織は、同じくグランドスラムで初の決勝進出を果たしたマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に3-6、3-6、3-6で完敗した。

 香港(Hong Kong)で開催中の香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open)に出場しているクルム伊達は、「彼にテキストメッセージを送りました」とすると、「落ち込まないで。本当に素晴らしいことだった。次のステージに行きましょう、と伝えました」と明かした。

 43歳のクルム伊達は、試合前に緊張していたという内容を錦織が返信してきたと話した。

 錦織は、これまで2012年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2012)でのベスト8がグランドスラムの最高成績だった。今回ニューヨーク(New York)で錦織が決勝進出を果たすまで、日本勢が最後に記録したグランドスラムでの最高成績は、クルム伊達が1996年に到達したベスト4だった。

「日本選手が決勝進出を果たすのは、本当にすごいこと」と語るクルム伊達は、「圭は決して大きな選手ではない。才能に恵まれているけど、簡単ではなかったはず」と錦織の功績を称えた。

 クルム伊達は1990年代、アジアを代表する強豪選手だった。1994年の全豪オープンで初の準決勝進出を果たしたクルム伊達は、翌年の全仏オープン(French Open)、1996年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)でも、ベスト4に進出した。

 2011年の全仏オープンテニス(French Open 2011)に続き、今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)を制した中国の李娜(Na Li、リー・ナ)が、現在のアジア女子選手をけん引している。

 クルム伊達は、「20年前の女子テニス界だったら、私たち(アジアの選手)が決勝に進出するなんて誰も予想していなかった。男子はなおさらです」とし、「将来、圭も李娜のようにタイトルを獲得できるはず」と締めくくった。

 この日行われた香港オープン女子シングルス1回戦で、クルム伊達は6-3、6-3でスウェーデンのヨハンナ・ラーション(Johanna Larsson)を下し、2回戦進出を決めている。(c)AFP