【9月9日 AFP】オーストラリアのトニー・アボット(Tony Abbott)政権が、国内で製造する予定の新型潜水艦を、日本から購入する方針に変更する可能性が報じられたこと受け、野党や業界団体は9日、政府に明確な説明を要求した。

 オーストラリアは90年代に導入した一連のディーゼル・エレクトリック式潜水艦(通常動力型潜水艦)を交替させる必要に迫られている。昨年の政権交代前、自由党を含む現政権の保守連合は、日本の技術を用いる可能性を視野に入れつつ、国内のサウスオーストラリア(South Australia)州で最大12隻を建造する方針を掲げていた。

 しかし9日の豪日刊紙オーストラリアン(The Australian)は、国内で建造した場合の費用が高いことを理由に、日本企業が技術提供元のみならず建造の受注先として最有力候補となっていると報じた。同紙は、自国で建造した場合には500億~800億豪ドル(約4.9兆~7.8兆円)がかかるのに対し、即納可能な日本の「そうりゅう(Soryu)」型を基にした潜水艦を購入すれば250億豪ドル(約2.4兆円)ですむと伝えている。

 イアン・マクファーレン(Ian Macfarlane)豪産業相は、潜水艦をサウスオーストラリアで建造する可能性はまだ残っているとしながらも、日本と契約を結ぶ可能性については言及を避けた。

 野党・労働党のビル・ショーテン(Bill Shorten)党首は、潜水艦をどこであれ国外で建造させることは「海洋国家としてのわが国の国家安全保障を無責任にリスクに晒す」と批判した。

 造船業界の労働組合は、外国から潜水艦を購入すれば、関連産業への波及効果も含め業界全体に致命的打撃を与えかねないとの懸念を示している。

 最終的な決定は、15年6月に公表予定の次の国防白書で明らかになる見込みだ。(c)AFP