【8月29日 AFP】度重なる残虐行為で世界中を震撼(しんかん)させているイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」は28日、先週末にシリアの主要な空軍基地を掌握した際に拘束した多数のシリア軍兵士を処刑したと発表した。

 イスラム国は砂漠に多数の遺体が山積みされているおぞましい映像をインターネットに投稿し、24日に掌握したタブカ(Tabqa)空軍基地で拘束した兵士らを処刑したと発表した。

 イスラム国はこれまでにも残酷な動画を繰り返し公開して国際社会から強い非難を浴びているが、こういった映像は、新たな戦闘員を集め、シリアや隣国イラクの軍の新兵らをおびえさせるプロパガンダの役割を果たしている。

 英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、イスラム国は政府の掌握地域へ必死に逃げようとしていた兵士ら約500人を拘束し、うち少なくとも160人を処刑したという。

 一方、シリア内のイスラム国拠点の空爆を検討していたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は28日の記者会見で、米政府は現在、シリア情勢への対応策を検討中であり、米軍によるシリア空爆はすぐには実施しない方針であることを明らかにした。(c)AFP