イスラム国が拘束の米記者、母親が解放訴えるビデオメッセージ
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【8月28日 AFP】イスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」がシリアで拘束し、殺害をほのめかす映像が公開された米国人記者スティーブン・ソトロフ(Steven Sotloff)氏(31)の母親が27日、息子の解放を訴えるビデオメッセージを公開した。
イスラム国は、先週公開した映像の中で、米記者ジェームズ・フォーリー(James Foley)氏(40)の斬首場面を公開するとともに、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がイラクでの空爆の停止を命じなければ、ソトロフ氏も殺害すると警告していた。
同氏の母親のシャーリー・ソトロフ(Shirley Sotloff)さんは、イスラム国の指導者であるアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者に宛てたビデオメッセージの中で、憔悴(しょうすい)し緊張しながらも自制心を保った様子で、「息子スティーブンの運命はあなたの掌中にあります。息子は暴君たちに苦しめられているイスラム教徒のことを伝えるために旅立ったジャーナリストです」と語った。
「私はあなたに対し、一人の母親として、公正な判断をお願いします。慈悲の心を持ち、息子の力が及ばない問題で息子を処罰しないでほしいのです」と落ち着いた口調で語った。
「1年以上前から息子の姿を見ておらず、とても寂しい思いをしています。無事に家に帰ってきてほしい。息子を抱きしめたい」
ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)米大統領報道官は、米政権がメッセージ公開に当たり家族に何らかの助言を行ったかどうかの回答を避けた。
ソトロフ氏は昨年8月にシリアでの取材活動中に拘束されたが、ISが先週公開した映像で姿を見せるまで、その事実は大きく報じられていなかった。
米国内では、フォーリー氏がイスラム国に殺害されたことを受け、拘束されているその他の米国人の命を危ぶむ声が高まっている。シリアで約2年にわたり拘束された末に解放された同国の記者、ピーター・セオ・ カーティス(Peter Theo Curtis)氏(45)は26日に帰国を果たしたが、米メディアによると、イスラム国はソトロフ氏の他、援助活動家の女性(26)を現在も拘束している。(c)AFP/Dave Clark