■オバマ政権の転機か

 しかし今回は、米国人に対する直接の脅威を浮き彫りにしたフォーリー氏の死が、シリアに対する軍事行動のハードルを下げている。

 オバマ大統領が前週「がん」と呼んだ「イスラム国」に対し、シリアで新たな戦線を立ち上げるだろうという予想は、政権周辺から聞こえる強硬な発言によって裏打ちされている。

 チャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)国防長官は「イスラム国」について、米政府が過去に遭遇したことのあるテロリスト組織を「超越した」存在だと述べた。マーチン・デンプシー(Martin Dempsey)統合参謀本部議長は、米国が「イスラム国」を倒すにはシリアで叩くしかないと言っている。

 ある元政府高官は、こうした発言傾向の変化は米政府の「転機」を示していると説明する。この元高官は「彼らはギアを上げたように見える。2速から4速へ…(イスラム国への)対処の仕方がだ」と語った。

 米議会周辺でも戦争を志向する新たな勢いが生まれている。米下院国土安全保障委員会のマイケル・マコウル(Michael McCaul)委員長は、ABCニュースに対し「現政権がこれまで行ってきたのは、封じ込めだけだった」と振り返った一方で「われわれは最終的に(イスラム国を)打倒し壊滅させるまで、こうした空爆を拡大させる必要がある」と述べた。

 米ワシントンD.C.(Washington D.C.)に拠点を置くNPO「アメリカン・タスクフォース・オン・パレスチナ(American Task Force on Palestine)」の上級研究員で、米政府の中東政策に詳しいフセイン・イビシュ(Hussein Ibish)氏は、米政府にとって選択肢はほとんどないとし、「米国はもはや(イスラム国と)戦争をしている。さらに発展するだろうし出口はない。激化するだけだ」と述べた。(c)AFP/Stephen COLLINSON