【8月27日 AFP】難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療研究支援を目的に、氷水をかぶって募金を呼びかける世界的な運動「アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)」に対して、水不足に苦しむ南アジア諸国では独自の解釈が加えられた──。食べ物に困っている人々のために、米やその他の食料でバケツをいっぱいにする「ライス・バケツ・チャレンジ(Rice Bucket Challenge)」だ。

 6月から世界中の人々が参加している「アイス・バケツ・チャレンジ」では、ALS研究に100ドル(約1万円)を寄付するか、氷水をかぶり動画をネットに投稿して次の挑戦者を指名する。

 ALSは、米国の伝説的な野球選手ルー・ゲーリック(Lou Gehrig)も発症した病気として知られている。

 しかしインドでは、38歳の女性が「アイス・バケツ・チャレンジ」を「ライス・バケツ・チャレンジ」に変え、ソーシャルメディアを通じてバケツもしくはボウル1杯のお米を、必要としている人に渡すよう呼びかけている。

「『アイス・バケツ・チャレンジ』をフェイスブック(Facebook)で知り、このアイデアを思いつきました」と語るのは、米の研究を専門とするウェブサイト「oryza.com」のManju Latha Kalanidhiさん。

「必要な人に食べ物を渡すことができ、水を無駄にすることもありません」

 22日から始まった「ライス・バケツ・チャレンジ」では、すでに13万8000人からの支持を得ているとKalanidhiさんはAFPの取材に答えた。

 同地域では、「アイス・バケツ・チャレンジ」での水の浪費が問題視され、一部から批判する声が上がっていた。

 隣国ネパールでも、最近の洪水や土砂崩れで家をなくした人々を支援する目的でバケツを食料や医療用品で満たす「フィル・ザ・バケツ・チャレンジ(Fill The Bucket challenge)」が始まっている。

「今日はバケツが25個集まった。明日は地元の学校から100個のバケツが運び込まれる予定」と収集センターの担当者はAFPに話した。

 ネパールでは、モンスーンの豪雨による洪水と土砂崩れで、少なくとも250人が死亡、1万4000家族が住む家を失った。(c)AFP