■乗務員とのやりとりを録音

 この後、ブッシュニーさんは前の席に座っていたカナダ人のソフィー・ラシャンス(Sophie Lachance)さんに何が起きたかを話した。ラシャンスさんは「誰かが私の腕を叩くので目が覚めたら、涙でいっぱいになった彼女の顔が見えて。彼女はものすごく泣きじゃくっていた。そして、あの男に嫌なことをされたと私に訴えたんです」と語った。

 携帯電話による録音音声には、同じ男性乗務員が再びブッシュニーさんの席に戻ってきて「あれは、君のためを思ってやった」などと釈明する声が残っている。それに対し、ブッシュニーさんが「下着に手を入れて、落ち着かせようとしたですって?そうでしょ、私の下着に手を入れたのよ」と男性乗務員に反論する声も聞こえる。男性乗務員は再度、謝罪したとみられ、これに対しブッシュニーさんは「結婚しているからって、何なのよ。それで人の下着に手を入れるなんて、よくそんなことができるわね?」と非難を浴びせている。

 先にマレーシア航空は、今月4日に強制わいせつの疑いで客室乗務員の1人がフランスで身柄を拘束された事実を発表している。同航空は声明の中で、仏当局への捜査協力を約束するとともに「弊社は乗客の安全、安心、幸福を常に最優先する」と言明した。

 しかしブッシュニーさんはチャンネル7の番組で、機内での事件についてマレーシア航空に苦情を申し立てたが、何の連絡もないと不満を示している。

 マレーシア航空は今年、3月にMH370便が行方不明となり、7月にはMH17便がウクライナ東部で撃墜されるという2つの大悲劇に見舞われている。今回のスキャンダルは同航空にとってさらに逆風となっている。(c)AFP