【8月23日 AFP】リベリアで最後までエボラ出血熱を免れていた地域から患者が発生し、全土が感染地域となった。リベリア当局者が22日、発表した。

 これまでに今回エボラ出血熱が発生した国の中で最多の624人の死者を出しているリベリアでは、エボラ感染がなかった最後の地域、シノエ(Sinoe)州で2人がエボラウイルスに感染して死亡した。

 エボラウイルスはリベリア、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリアに広がっており、封じ込めに向けて若干の進展もあるものの、今年3月以降の死者は1427人に達した。

 AFPの取材に対し、リベリア保健従事者協会(Health Workers Association of Liberia)のジョージ・ウィリアムズ(George Williams)会長は、「(シノエは)エボラに侵されていない最後の地域だった」と語った。

 リベリアではここ数日間、エボラによる死者が急増して混乱した状況に陥っている。支援団体によると、首都モンロビア(Monrovia)の火葬場は毎日運び込まれる遺体の処理に苦慮している状況であり、今週初めには首都内のエボラ隔離地域で抗議の群衆に兵士が発砲し、衝突が起きている。

 WHOのケイジ・フクダ(Keiji Fukuda)事務局長補は22日、モンロビアで記者会見し、エボラ熱との闘いには時間がかかるとの見通しを示した。

 ナイジェリアでは22日、新たに2人がエボラウイルスに感染していることが判明し、同国で確認されたエボラ患者は14人(うち5人が死亡)となった。シエラレオネでは同日、エボラ患者を隠した者に最長2年の禁錮刑を科す法律が国会を通過した。(c)AFP/Zoom DOSSO with Selim SAHEB ETTABA in Dakar