【8月20日 AFP】ウクライナ当局は19日、親ロシア派武装勢力の第2の拠点ルガンスク(Lugansk)市中心部で戦闘が発生したことを明らかにした。また、同市からの避難民を乗せたまま砲撃を受けた車両の残骸からは、17人の遺体が収容されたという。

 ウクライナ軍は、市中心部から離れた1地区を「解放」した後、中心部で親露派武装勢力との市街戦に臨んでいると発表。同市へのウクライナ軍進攻が事実と確認されれば、4月に始まりこれまでに2100人以上の命を奪った紛争の打開に向け、ウクライナ政府側が大きな前進を見せていることになる。

 これまで数週間にわたって激しい砲撃を受けてきたルガンスクでは、水や電気の供給が断たれている。18日には、同市から脱出を試みた市民らを乗せた車列が砲撃を受ける事態も発生。ウクライナ軍は翌19日、車列の残骸から焼死した17人の遺体を収容したと発表した。同国政府は親露派が砲撃を実施したと非難しているが、親露派側はこれを否定している。

■露・ウクライナ両大統領は会談へ

 ウクライナ政府軍が親露派の掌握地域で攻勢を強める中、ウクライナとロシアの両政府は19日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領が今月26日にベラルーシの首都ミンスク(Minsk)で約3か月ぶりに会談すると発表した。

 ウクライナはこれまで、ロシアが親露派武装勢力の敗北を阻止するため武器の供給量を増やしていると非難し、最後の手段としてウクライナ侵攻の準備を進めている可能性があると指摘してきたが、ロシア側はこれを否定していた。

 先週末にはロシアとウクライナの高官らが協議を行ったものの成果は見られなかった。26日の首脳会談には、欧州連合(EU)の高官も出席する予定。またこの3日前の23日には、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相が、ウクライナ指導部と危機について協議するため、キエフ(Kiev)を訪問することになっている。(c)AFP/Max DELANY with Dimitar DILKOFF in Makiyivka