■「『NO』と言われれば、いつも別の道を見つけてきた」

 今年は「CFDAファッション賞(CFDA Fashion Awards)」のファッションアイコン賞がバルバドス出身の歌手リアーナ(Rihanna)に贈られ、またケニア出身の若く美しい黒人女優ルピタ・ニョンゴ(Lupita Nyong’o)が一躍話題になるなど、非白人女性の活躍が目立つ。

 とはいえ、ナオミがモデルとしてのキャリアを歩み始めた1980年代後半のランウェイでは、今よりも多くの有色人種モデルが活躍しており、今日の若い非白人女性モデルの方が業界の敷居は高くなっていると、ナオミは指摘する。

 当時と違うのは、現在はキャスティング・ディレクターが非常に大きな力を握っている点だ。若いモデルたちは、自分たちのキャリアを左右するのはキャスティング・ディレクターだと考えている。

 ナオミは昔を振り返り、「『NO』と言われることがあれば、私はいつも別の道を見つけてきた」と語る。「今は少し違います。モデルたちは自分の意見を言うと仕事が入らないから自己主張したがらない。だから私たちが、彼女たちの代わりに声を上げているのです」

 ナオミは欧州の中でも「とりわけ強く支援してくれた」一流デザイナーとして、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)、ジャンニ・ヴェルサーチ(Gianni Versace)、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)、さらにチュニジア生まれでフランスに拠点を置くアズディン・アライア(Azzedine Alaia)の名前を挙げた。

「私は本当に恵まれていました。だからこそ今、若いモデルたちを支援する必要性を痛感しているのです。彼女たちとデザイナーの関係は、私がモデルを始めた頃とは違うからです」

 ナオミは自分が受けた人種差別を強く批判したことも過去にあるが、そのことについては今回の取材で話そうとしなかった。

 また「ダイバーシティー・コアリション」について「戦闘的」な団体だとは見てほしくないと言い、「ただ対話をする場」だと説明した。「なぜこういうことが起きているのか、なぜ起こったのか、どのように変えていくか、膝を突き合わせて議論している大人たちの集まりにすぎません」と語ったナオミは、人々の意識が以前よりも向上していると信じている。

「世界のあちこちで、ソーシャルメディア上で、問題は顕在化しています。以前のように、見て見ぬふりはできないはずです」(c)AFP/Prune PERROMAT