【8月8日 AFP】平らな1枚の紙のように地面に横たわった状態から、まるで生きているかのように起き上がり、折り紙アートを思わせる動きで変形して、這うように歩き出す──こんな新型ロボットを、米ハーバード大学(Harvard University)などの研究チームが7日、発表した。将来的に、宇宙探査や建物崩壊現場での捜索活動、組み立てラインの製造速度の高速化などに貢献することが期待されるという。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された報告によると、製品化にはまだ何年もかかる見通しだが、最新の技術進歩によって、個人向けにカスタマイズされたロボット分野の新境地が開けたという。

 ハーバード大のビース研究所(Wyss Institute for Biologically Inspired Engineering)と工学・応用科学科(School of Engineering and Applied SciencesSEAS)に所属する研究者、サム・フェルトン(Sam Felton)氏によると、このロボットの材料費はわずか100ドル(約1万円)と安価な上に、ある作業から別の作業を実行するように簡単にプログラムを変更することができる。

 ロボットは紙を含む複数の層が重なってできており、中間の銅でできた層はエッチング(薄膜の一部を除去する方法)で配線が作られている。また外側の層は、温めると折り曲がる形状記憶ポリマーでできている。ひとりでに組み上がる家具や被災地用シェルターへの応用も考えられるという。

 ロボットは、今月10~13日に東京で開催される「第6回折り紙の科学・数学・教育国際会議(International Meeting of Origami Science, Mathematics and Education)」で披露される予定だ。(c)AFP/Kerry SHERIDAN