【8月4日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)、ダラス・マーベリックス(Dallas Mavericks)のマーク・キューバン(Mark Cuban)オーナーは、インディアナ・ペイサーズ(Indiana Pacers)のポール・ジョージ(Paul George)がチーム外の活動で右脚を骨折したことを受け、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)に怒りの矛先を向けた。

 キューバン氏は、米スポーツ専門チャンネルのESPNに対し、IOCは得をするだけしておいて、選手の負傷というリスクはすべてクラブに押しつけると話した。

「IOCのうまいところは、五輪は愛国心と国のプライドをかけた大会で、利益目的ではないと世界中にすり込んだところだ」

「選手とオーナーが協力して、独自のバスケットボールW杯を作り上げるべきだ」

 ペイサーズの主力選手であるジョージは、FIBAバスケットボール・ワールドカップ(FIBA Basketball World Cup 2014)に向けて行われた、米国代表のエキシビションマッチで負傷した。前回覇者の米国は、今大会を制して2016年のリオデジャネイロ五輪への出場権を獲得するとともに、3大会連続での金メダル獲得に弾みをつけたいと考えていた。

 IOCにまつわる数々の疑惑が、キューバン氏の不快感を増強させているようだ。

 キューバン氏は、「IOCは汚職にまみれた団体だ」とすると、「IOCは大もうけしている」と声を荒らげた。

「あらゆるスポーツのプロ選手は、フリーエージェント(FA)になったら、プレーしないという選択肢がある。でも、チームは金銭的なリスクを負い、IOCの私腹を肥やすお手伝いをしなければならない」

 ジョージは、2014-15シーズンを欠場することが確実となっており、所属チームのペイサーズは、チケット販売数の落ち込みなど、スター選手を失った球団が直面せざるを得ない当然のリスクを負うことになった。

 国際バスケットボール連盟(FIBA)とNBAが結んでいる協定において、選手が招集を断ることができるのは「看過できない健康上の不安」がある場合のみで、サンアントニオ・スパーズ(San Antonio Spurs)はこれを行使し、疲労骨折を抱えるエマニュエル・ジノビリ(Emanuel Ginobili)の代表入りを許可しなかった。(c)AFP